世界で発見!こんなところにようぼく#4│丸い心で

世界には、日本で暮らしていてはおよそ想像のできない生活がある。そこには、価値観が全く違うからこそ感じる信仰の素晴らしさがあるはず。「世界で発見、こんなところにようぼく」では、仕事や結婚など、何かしらの理由から遠く海外に住む教友の信仰生活に迫る。


今回インタビューを敢行したのは、堀内成美さん。現在、国際色豊かな世界都市・シンガポールの日本人学校で勤務している。

「世界で発見!こんなところにようぼく」第4回目は、異国の地で教祖の教えを伝える彼女の信仰生活に迫った。

シンガポールってどんなところ?

東南アジアのマレー半島南端に位置する、面積約720平方キロメートル(東京23区と同程度)の島国。中継貿易の拠点として発展を遂げ、中国、マレーシア、インドなど各国から移住者を受け入れている多民族国家だ。

今回インタビューしたのは

  • Name:堀内成美さん(郡山)
  • Age :32歳
  • From:シンガポール

2013年 大谷大学文学部教育心理学科教育学コース卒業
2013年4月~2023年3月 天理小学校勤務
2023年4月~ シンガポール日本人学校クレメンティ校勤務

転機となった新型コロナウイルスの流行

シンガポールで開催されたGoogle社によるICT活用教育法研修会での一場面。写真右から2人目が堀内さん。

Zoom でのインタビューを受けてくれた堀内さんは、現在、シンガポールの日本人学校で小学校の先生をしている。

学生の頃や社会人になってから、長期休暇などを利用して4カ国くらい行ったことがありましたが、まさか海外で教師をするとは思っていませんでした。

そう話す堀内さんが海外で教師をしたいと思うようになったのは、コロナ禍での後悔がきっかけだった。

新型コロナウイルスが世界的に大流行した 2020 年 2 月以降、堀内さんが当時教師をしていた天理小学校では、長期にわたる休校を余儀なくされた。

担当児童たちとは、満足な授業ができないまま修了式を迎えてしまい、堀内さんはもどかしい思いでいっぱいだったという。

当時はタブレット端末が充分に普及していなかったので、授業動画を作成し、一方的に子どもたちに配信することしかできないような状態でした。子どもたちと関わることができず、とても悔しかったです。

休校が続いていたある日、テレビでシンガポールの日本人学校を取り上げた番組を目にした。シンガポールの日本人学校では、コロナ禍以降、すぐにオンライン授業に切り替えて授業をしているという内容だった。

そのときに初めて「日本人学校」の存在を知りました。

そういえば、天理小学校でも、海外の信者さんがおぢばで 3 ヶ月間天理の教えを学ぶ間に、その子どもたちが聴講生として来ていたことを思い出しました。

それから日本人学校に興味を持ち、世界にはいったいどれくらいの日本人学校があるんだろう、どんな学校教育なのかなと、調べるようになったんです。

日本人学校とは

日本国外に居住する日本人子女が日本国内の小・中学校または高等学校と同等の教育を受けられるようにした教育機関。文部科学大臣が認定した日本人学校は、2023 年 4 月15 日現在では、世界 49 カ国・1 地域に 94 校が設置されており、約 1 万 6 千人が学んでいる。

天理からシンガポールへ

堀内さんは2023 年 4 月、単身シンガポールへ渡った。異文化に戸惑うことも少なくないが、その違いも楽しみのひとつになっているという。

シンガポールは、多民族国家なので、年間を通してさまざまな国のイベントが催されます。中国の旧正月(ライオンドラゴンダンス)、インドのディパバリ、マレーシアのハリラヤなどです。

学校の授業でもこうしたイベントをテーマにした行事を開催するので、子どもたちは多種多様な文化に触れることができます。

また、シンガポールは、緑(自然)が豊富な国でもあります。近代的な高層ビルが立ち並ぶエリアを歩いていても、常に視界に緑が入ってくるので、植物が好きな私にとって、シンガポールは歩いているだけで癒される国です。

学年目標は「グレープ」

堀内さんが担任を務めるクラス目標として掲げられたぶどうの絵

天理小時代は、子どもたちと接する際に、天理教の教えや考え方を取り入れていたという堀内さん。児童が怪我をしたときには「これは神様からのメッセージかもしれないね」などといった会話をしていた。

しかし布教ができないシンガポールでは、天理教の教えを知らない人がほとんど。堀内さんは、どのようにお道の言葉を使わずに自分の思いを伝えればいいか戸惑ったという。

そんな中も、言葉を選びながら、子どもたちと関わり、親神様に喜んでもらえるよう心がけた。具体的に取り組んだことについて次のように話してくれた。

子どもがけがをしたときには、「痛かったね。足を使いすぎていたのかな。休ませてあげよう。座ろう!」と声をかけたり、運動会で、閉会式が終わったとたんに雨がポツポツと降ってきたときには、「お空が一生懸命に耐えてくれていたね。ありがたいね」と伝えたりしました。

すると次第に子どもたちは、「ありがたいこと探し」をするようになりました。日に日に教室は丸い心の子どもたちでいっぱいになりました。

日本人学校に赴任してから、学級通信のタイトルを「丸い心で」にしているという堀内さん。

あるとき、子どもたちに、丸い心の姿が立派であることを伝えようとしたが、「丸い心」という言葉の意味が伝わりにくいと感じ、子どもたちに「『丸い心』ってどんなイメージかな?」と投げかけ、丸い心について話し合った。

すると、自ら進んで友達のことを手伝うようになったりと、子どもたちの行動に変化が生まれたという。

そして、その影響は学年全体に及んでいる。

「グレープ」が学年の目標なんです!

先生たちと学年の目標を考える際、子どもたち同士のつながりの希薄さが課題として挙がりました。

その会議で、教祖の「丸い心で」というお言葉が頭にひらめき、「学年の子どもたち一人ひとりがぶどうのように、みんな丸い心でつながっていこうという気持ちを込めて〝ぶどう〟!ここは海外だから〝グレープ〟はどうですか?」と提案したんです。

すると、この提案は先生方から好評を得て、「この学年にはぴったりな学年目標だね!」と言ってもらいました。そして毎年作る学年 T シャツも紫色になりました!!

おぢばを離れても天理カラーを身につけることができて、うれしかったです。

自らも心がける「丸い心」

シンガポール出張所の表札

堀内さんは、慣れない環境で多くの人々に助けられた経験を通じて、自分も「丸い心」で他人を助けることの大切さを実感しているという。

以前、仕事に追われ、感謝の気持ちを忘れてしまっていたときがありました。するとすぐに神様から大きな身上を見せていただき、相手への感謝の気持ちをもつ大切さに気付かされました。

普段、子どもたちに「丸い心で」と教えているにもかかわらず、自身がそれを実践できていないと反省しました。

体調不良が続いたとき、堀内さんはシンガポール出張所に参拝して神様にお詫びをする。

以前、喉の調子が悪くなり長引いたときも、「言葉遣いに気をつけなさい」という神様のメッセージと受け止め、出張所へお詫びの参拝に行きました。すると翌日には不思議なほど体調が回復したんです。

体は神様からのかりもので、間違った道を歩んでいるときには、神様が知らせてくれるのだと実感しました。

安心を与えられる先生になりたい

堀内さんがシンガポールに来た目的は、海外に住む子どもたちや保護者に安心してもらうことであると教えてくれた。そのために、彼女が日々実践している特別な習慣があるという。

天理小学校にいたときから続けている習慣があります。朝学校に着くとまず子どもたちの靴箱に入っている上靴を揃えることです。

上靴は子どもたちが学校にいる間ずっと身につけているものなので、上靴を丁寧に揃える心定めを通じて、神様にお守りいただきたいと思っています。

上靴を揃えている時間は、子どもたちのことを考え、神様とつながっていると感じる最も大切なときだと語る。「これからも人に安心を与えられるような丸い心で過ごさせていただきます!」そう語る堀内さんの笑顔を見て、子どもたちのぶどうのような丸い笑顔が浮かぶのは、私だけだろうか。

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