3食目『天理スタミナラーメン』
青年会の誇る「デブ部」が、懐かしいお店から行きたいと気になっていたあのお店まで、天理のグルメをご紹介します。
「あなたはどっち派?」
テレビ番組やCMで、よく目にするこのセリフ。
少し前にバズったセカオワのHabitの歌詞にも「君たちったら何でもかんでも 分類、区別、ジャンル分けしたがる ヒトはなぜか分類したがる習性があるとかないとか」とある。とにかく人は、物事を二つに分類して、他者に二者択一を迫り、多数派であることでマウントを取ったり、少数派であることで個性的な自分を気取ってみたりする生き物なのだ。
もちろん、これは食文化においても言える。
ご飯派?パン派?
肉派?魚派?
たけのこの里派?きのこの山派?
さまざまな食の「どっち派?」が議論されるのである。
もちろんご多聞にもれず、この無謀な争いは、天理にも存在する。
かの有名な「天スタ派?サイカ派?」論争である。
天理スタミナラーメン。彩華ラーメン。
天理のソールフードの二大巨塔。
「天スタとサイカどっち好き?」
天理市民なら、人生で一度は必ず使うセリフと言っても過言ではないくらいである。
私はもう何度このセリフを口に出したかわからない。
先に言っておく。私は「天スタ派」である。
今回お邪魔したのは、天理教教会本部の神殿から、徒歩5分のところにある天理スタミナラーメン本通り店。
屋台の店舗にはよく行ったことがあるのだが、恥ずかしながら本通り店は初体験。
店内は思った以上に広い。
席数も45席あるようで、ラーメン屋としては、珍しいくらい余裕を持って座ることができる。
コロナ禍にはありがたい限りだ。
壁には、数多くのサインが飾られており、さすがの人気が伺える。
さて、取材当日は猛暑。
我々デブは、常人の2倍以上気温によるダメージを受けるため、まずは体温を下げることにした。
「生ください」
取材という名目を利用し、夕方早めの時間から至福の一杯。
デブ部でよかったと心から思う。
体温が落ち着いたところで、目的の品を注文する。
もちろんサイズは「大」である。
たくさん食べたいからではない。
「大」を頼むことは、デブとしてのマナーであり、店へのリスペクトなのである。
待つこと数分。
心踊る香りと共にラーメンが運ばれてきた。
普段これを食べる時は、飲み会の帰りが多いため、シラフの状態で、この香りを嗅ぐことは稀である。香りだけで、こんなにも身体が疼くラーメンも珍しいのではないだろうか。
まずは、ノーマル状態のスープを一口。
「あー、うまっ」
それ以上の言葉が出ない。
次に、麺をいただく。
ラーメンはスープが命だとよく耳にするが、私は、それにも増して、麺の重要性をいつも感じる。
いくら美味しいスープであっても、それが麺とマッチしていないと、ラーメンとして一流とは言えない。スープに合う麺があることが、一番重要なのではないだろうか。
その点、天スタの麺は、いい意味で荒さがあり、細さも中太でズルズルと豪快にすすることができ、パンチのあるスープとよく合う。
さて、2、3口味わったところで、早くも味変。というか、本来のスタメンの味に進化をさせる。
「追いニンニク」である。
帰宅時、妻に嫌な顔をされるのは覚悟の上で、今日はしっかりとぶち込んでいく。
この背徳感がまたなんとも言えない快感だ。
「追いニンニク」後は、口の中の全ての旨味を、ニンニクという暴君が蹂躙していく。
無敵艦隊ニンニク。
うまい。うますぎる。
天スタはやっぱりこうでなくっちゃ。
そして、これも忘れてはならない。
「スパムむすび」である。
もちろんこれだけ食べても美味しいのだが、天理デブなら常識的な食べ方がある。
スパムむすびを頬張り、れんげでスープを一口。
口の中で生まれるケミストリー。
この食べ方の経験のない方は、ぜひ試してもらいたい。
この顔になること間違いなし。
これぞデブ飯だ。
気づけば、デブ部二人ともスープも全て飲み干し、完食。
お腹いっぱいである。
(我々が器を持つと、小さく見えるが、それなりの大きさなので、女性が注文される際は気をつけていただきたい)
今回お邪魔した天理スタミナラーメン本通り店。
味が変わったとか、昔はこうだったとか、たまに噂されるが、天理のソールフードは、やはり最高だった。
どれだけの時がたってもこの味は無くしてはならない。
これからも、天理の元気の源であり続けてほしいと願うばかりだ。
P.S.この場を借りて妻にお詫び申し上げます。臭くてすいません。
(デブ部サウナ部長)
◯天理スタミナラーメン 本通り店
住所 奈良県天理市三島町581-3
電話 0743-63-0003
営業時間 11:30~20:00
定休日 水曜日
予算 1,000円〜2,000円
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