
第98回天理教青年会総会の記念冊子「僕たちは、心を澄ますことからはじめてみた。」をマンガで発信しています。
サボテンと暮らす
僕はサボテンを育てています。名前は「トゲノリ」。トゲトゲしているのと、買ったときに鉢の受け皿がなくて、海苔のふたで代用したことから「トゲノリ」。
トゲノリは、小さな鉢の中にいるけれど、本当は砂漠でも生きていけるくらい強いやつ。それなのに、彼が生きていくために必要なのは、太陽の光、水、空気、そして土。たったそれだけ。
そして、うれしい日も悲しい日も、いつ見ても変わらず同じポーズで立ち続けているから、落ち込んでいるときに見ると、ちょっと元気をもらえる。
トゲノリは、普段はピクリとも動かないけれど、毎日見ていると、のんびり成長しているのが分かる。ちょっと大きくなっていたり、たまに子どもが増えていたり。
今の社会は、効率やスピードが求められて、みんなせかせか生きなきゃいけなくなっているけれど、トゲノリの生き方は、時間の流れを自然のリズムに合わせて、ゆっくり生きることの大切さを教えてくれる。
だから僕は毎日、朝起きて、まずトゲノリをベランダに出し、一緒に太陽の光を浴びることから一日を始める。そして夜には気温が下がるから、部屋に戻して一日を終える。様子を見ながら、たまに水をたっぷりあげると、すごく喜んでいるような気がする。
僕らは植物とは違う。でも、親神様がつくった壮大な自然の中に生かされているという点では、同じ仲間といえるかもしれない。
たまにでいいから、自然のリズムに合わせる習慣をつけると、心が穏やかになって、ちょっとやさしくなれるかも。
そうやって一緒に仲良く生きていたら、この前、トゲノリにきれいな花が咲いた。一瞬だったけど、これまで見た花の中で一番心に残る花だった。
この世界って、なんだか素敵だ。
尾﨑 優 牛込分会