【伊勢谷スポーツ俱楽部独占ルポ】天理大学祭でのラグビー教室!

昨年、10月31日から11月3日にかけて開催された天理大学祭。毎年さまざまな企画が行われるなか、前回からスポーツ体験教室が新たに開催されている。

天理大学スポーツクラブの現役選手が子ども達と触れ合いながら、楽しくスポーツの魅力を伝えてくれる⁉いつも通りスポーツ魂に火が付いた筆者が「スポーツ体験教室」を取材すべく、天理大学祭を訪問した。

子ども達が喜ぶ練習メニュー

昨年11月2日、天理大学杣之内第一体育館では午前にラグビー部、午後からバスケットボール部がスポーツ教室を開催。筆者はラグビー教室の取材を行うことになった。

小雨ぱらつく10時30分頃、小走りに体育館に向かうと自治会総務委員長の勝見壮さんが出迎えてくれた。「選手との触れ合いを通して子ども達に喜んでもらいたいですね。天理大学の魅力を感じてもらえたらうれしいです」と話す。

体育館に入ると、選手と子ども達が大きな円になってパス回しをしていた。ボールを3球使い、時計回りにパスを出していく。ラグビー経験のある子には慣れた練習だが、選手から声掛けやアドバイスをもらいながらのパス回しはとても魅力的だ。

時折、「〇〇、うまいやん!」「いいよ、〇〇!」と、選手が子ども達の名前を呼んで盛り上げている。よく見ると、子ども達のジャージに名前の書かれた養生テープが貼ってあった。

選手達の提案だったようで、そのおかげかすでに温かい雰囲気が広がっていた。

「次はキックドリブルをしますー!」と、選手の声が響き渡る。「なんだそれは??」多少のラグビー経験がある筆者も初めて聞く練習だ。

2チーム対抗のリレー形式で、第一走者がボールをドリブルしながら折り返しポイントまで進む。その場で、ボールを真上に投げる間に3拍手、それを5回繰り返す。さらに、ボールをヘソ前から背中へ時計回りに5回クルクル回す。その後、ボールを持ったまま走って折り返し、次の走者にパスをする。

選手が実演していたが、果たして子ども達にできるのか。筆者の心配をよそに、子ども達は大はしゃぎで走り出す。ラグビーボールなのでドリブルも不規則に転がり、ハンドリングも難しそうだが、とても楽しそうだ。何より練習内容がとてもユニークだ。

選手に練習の趣旨を聞くと「キックドリブルは独自に考えた練習です。ラグビーに必要な、キック・パス・ハンドリングをリレー形式で楽しく練習してもらいたかったんです」と話してくれた。選手は「頑張れ!」「ナイス!」「ドンマイ!」と盛り上げながら、ゴールした子をハイタッチで迎えていた。

夢のようなラグビー教室

次はどんな練習が始まるのかワクワクしていると、子ども達が体育館全体を走り出した。

「そろそろ行くよー!」の掛け声と同時に、ボールを持った選手数人が子ども達を必死に追いかける。そしてボールでタッチされた子はその場に座っていく。ウォーミングアップで鬼ごっこを取り入れているチームがあるとよく聞くが、ボールを使うのはハンドリングの練習にもなりまさに一石二鳥だ。子ども達の楽しそうな声が体育館内に飛び交う。

次に子ども達が鬼になって選手を追いかける。選手10人に対して子どもは20人だったが、さすがは天理大学ラグビー部、簡単には捕まらない。すると選手自ら「チームワークでいけよ!4人で挟み撃ちしてみな!」とアドバイス。4人がかりで襲い掛かり、見事に捕まえることができた。選手の人数が少なくなると、大人数で挟み撃ち。そこをキレキレのステップで避けていく選手たち。なんだか選手も楽しそうだ。

すると観客席から「〇〇選手のステップさすがやな!」と保護者の声が聞こえてきた。「え?レギュラーの〇〇選手?」と驚く筆者。実は、この日は関西大学ラグビーコルツリーグ(Cチームのリーグ戦)の公式戦が行われるため、ラグビー教室に参加できるのは A チームメンバーだけだった。A チームもシーズン中だが、有志を募ったところ多くの選手が集まってくれたのだという。子ども達にとってまさに夢のような時間だ。

最後はラインアウトの練習。選手がリフトを行い、子ども達が飛んで捕球する。安定感と高さのあるラインアウト、正確なスローイングを経験した子ども達。「うわー、高い!」「落ちたらヤバイー!」など無邪気な歓声に包まれつつ、ラグビー教室終了の時間を迎えた。

子ども達に刻まれた天理の魅力

最後に選手から「これからも一生懸命に練習して、お兄ちゃんたちみたいなラグビー選手を目指してください」とメッセージが送られた。集合写真を撮影後、解散となった。

保護者に楽しそうに感想を話す子ども達の姿が、最高の時間だったことを物語っている。ただ、「なぜ、A チームの選手が大事なシーズン中にラグビー教室の開催を引き受けたのか」と率直な疑問が残った。

片付けをしていた選手に聞いてみると、「僕たちもラグビー教室を楽しみにしていたんです」と笑顔で答えてくれた。なぜ楽しみだったのか聞き返すと、「今日を機会にもっとラグビーが好きになってくれたらうれしいからですね」と。数人に話を聞いたが、口をそろえて「楽しみだった」と「ラグビーをもっと好きになってもらいたい」と答えてくれた。

今回、わざわざ愛知県と岐阜県から参加した子ども達がいたそうだ。きっと彼らはラグビーの魅力をさらに感じたことだろう。そして、選手の優しさや温かさ、自分達のために取り組んでくれる姿が心に残ったのではないか。彼らが大きくなったときに、天理大学の魅力、お道の素晴らしさとして思い出してくれるかもしれないと思うと、うれしくてたまらない。

(文=伊勢谷和海 写真=永尾泰志)

伊勢谷和海/ ISETANI KAZUMI

1984年愛知県生まれ。天理高校、天理大学卒業後、天理高校職員(北寮幹事)として勤務。好きなスポーツは野球・陸上・相撲・ラグビーなど多岐にわたる。スポーツが好き過ぎて、甲子園で校歌を数回聞くと覚えてしまい、30校以上の校歌が歌える。スポーツ選手の生年月日・出身校も一度見たら覚える。高校野球YouTubeチャンネル「イセサンTV」を開設。ちまたでは「スポーツWikipedia」と称される。

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