『プリキュアのおもちゃで心を澄ます』
ライター 深谷弘和
4歳になる娘は、プリキュアに夢中です。
ある日、娘が、テレビのプリキュアが必殺技で使っている道具を見て、「これほしい!」と言い出しました。
買うつもりはないものの、とりあえず、「いくらくらいすんねやろなー」と軽い気持ちでネットで値段を確認してみると、なんと10,340円!
「1万円以上すんのんかい!」と、予想していた3倍くらいの価格にビックリ(笑)。
「最近のおもちゃって、高いなー」とか思っていたところ、価格を調べている私の顔を、娘がのぞき込んできます。
ダメ元で、「よーし、じゃあ、父ちゃんがつくってあげよう」と、冗談まじりで言ってみると、
「うん!それいいね!そうしよう!」と全力の笑顔で返されて、また、ビックリ。
自分で言い出した手前、後には引けません。
段ボールやら、ハサミやらを取り出して、作ることにしました。小学校のときから図工が得意でない私。自信など、まったくありません。
録画していたプリキュアの必殺技のシーンを一時停止で何度も止めては、見よう見まねで、段ボールを切り、ペンで模様を描き、ひとまず完成。
恐る恐る、娘に「できたよ」と渡してみると……
「うん!これでいい!父ちゃん、ありがとう!」
と満面の笑みで、お礼を言ってくれました。
作った自分からみても、「これでいいのか…」と不安になるような出来栄えでしたが、娘は、うれしそうに、プリキュアの必殺技を繰り出して、何度も遊んでいます
その様子をみて、親として、なんとも言えない嬉しい気持ちがこみ上げてきました。
そして、ふと、『神様も、こんな気持ちで、私たちに貸し与えてくださっているのかなあ』と気づきました
親神様は、私たちに、ありとあらゆるものを貸し与えてくださっています
それは、私が娘に「本物はちょっと買ってやれないけれど、この段ボールでつくったのならどう?」と渡したように、一人ひとりの必要に合わせて、ちょうどいいように貸してくださっているはずです。
でも、私たちは、「なんで、もっといいものを貸してくれないんだ」と言わんばかりに不足してしまうことがあります。
神様からすれば、私たちの成人を願って、貸し与えたものです。
子どもが楽しそうに使ってくれれば、きっと喜んでご覧になっているはず。
ハリボテのおもちゃで、楽しそうに遊ぶ娘をみて、嬉しくなった私のように。
「うん、これでいい!神様、ありがとう!」
娘が私に笑顔で言ってくれたように、今日も、親神様に「かしもの・かりもの」の感謝の気持ちを伝え、楽しんで過ごしたいと思います。
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