世界で発見!こんなところにようぼく#2

日本から14,249km離れたカリブ海に浮かぶ島、マルティニーク島。

そこに住む一人の女性ようぼくを発見。フランス人の旦那さんとの結婚を機に移住した三枝マンガタル春菜さんだ。

日本(おぢば)を離れて気づいたのは、自然が豊かな島だからこそ感じる「この世は神の身体」の実感。そして、日本語教師を通して学んだ「にをいがけ・おたすけの心を芯に持つこと」の大切さだった。

第2回の「世界で発見!こんなところにようぼく」では、そんな彼女のマルティニークでの信仰生活に迫った。

マルティニーク島ってどんなところ?

マルティニークはフランスの海外県の一つで、面積1128平方キロメートルのカリブ海に浮かぶ自然豊かな島だ。

かつて、探検家コロンブスに「世界で最も美しい場所」と呼ばしめたマルティニーク島の語源は、島に住んでいたカリブ人の言葉で「マディニーナ(花の島)」、または「マティニーノ(女の島)」であると言われている。

青く澄んだ海、風に揺れるヤシの木、目の覚めるカラフルな花々。

熱帯気候で年間を通して過ごしやすく(年間の最低・最高平均気温はおよそ22〜30度)、多くの欧米人がバカンスを過ごすリゾート地である。

今があるのは信仰のおかげ

インタビューはZoomで開始した。画面上には小麦色に日焼けをした三枝さんが、長男を抱えながら笑顔でお出向かえ。

「すいません、電波が安定しなくて。時々音声が途切れたり画面が止まると思います。」

と三枝さん。

「電波変えてみたら?」との旦那さんの助言を受け、電波回線を変更すると同時に三枝さんは画面から姿を消した。

再び入室したが、やはり電波は安定せず、結局LINE通話でインタビューすることに。

こんなトラブルも遠く離れた島国ならではといったところだろうか。急にワクワクしてきた。

人生を大きく変えた「天理異文化伝道」

天理大学在学時、海外布教がテーマの「天理異文化伝道」という講義を受けた三枝さん。その内容が人生を大きく変えるきっかけになったという。

「『天理異文化伝道』の講義で、コンゴ共和国にあるコンゴブラザビル教会の活動紹介ビデオを鑑賞しました。おぢばから遠く離れたアフリカの地にも、しっかりと天理教の教えが根付いていることを知ったんです。コンゴの方々の純粋な信仰心を目の当たりにして、気がつくと感動のあまり涙を流していました。講義が終るや否や、私は先生に駆け寄り言いました。

私、コンゴに行きたいです!』」

三枝さんは、現地の様子を自分の目で確かめたくなり、卒業論文のための現地調査という形で、約1カ月間コンゴブラザビル教会に滞在した。現地の信仰を肌で感じながら「いつかお道の御用で海外に行きたい」と思ったという。

「親」につながることの大切さ

卒業後、本部勤務を終え、第2次婦人会海外人材派遣生として2年間フランスに滞在した。当時かけられた言葉が、今でも海外で生活する基盤になっていると話してくれた。

「当時、婦人会海外人材派遣の担当委員が、私が嫁ぐ前に所属していた名京大教会の奥様でした。2人でお話しする機会を頂いた際に、『海外には親孝行できる人しかいけない。ちゃんと親につながっていたらどんなことがあっても大丈夫』とお話しくだされたんです。私はそのお話を受けて、フランスに滞在する2年間、大教会長様・奥様と自分の両親に毎日メールすることを心定めしました (メール日参) 。メール日参は親に心をつなぐことができる大切な時間になりました

2015年11月13日夜、パリ市街と郊外のサン=ドニ地区の商業施設において同時多発テロが起きた。死者130名、負傷者300名以上を生んだテロ事件である。そのとき三枝さんは天理日仏文化協会(事件が起きた場所からほどちかくのところ)にいた。ヨーロッパ出張所へ帰ろうにも駅は封鎖。その晩は職員室の床で鞄を枕に寝たことを明かしてくれた。

「テロがあった晩、パトカーのサイレンが鳴り響く中、神様におもたれする一心でお願いづとめを勤めました。恐怖心がなかったと言うと嘘になりますが、メール日参を続けていたお陰で親々が応援してくれているから大丈夫と思えました。なにより、神様が絶対に守ってくださっている安心感がありました

マルティニークでの生活

2017年、縁あってフランス人ようぼくである現在の旦那さんと結婚し、マルティニーク島へ移住した。「日本とは言語も文化も全く異なる環境ですが、なれるまでに時間はかかりましたか?」と記者が尋ねると、「(環境が)違いすぎると、むしろ比べないので大丈夫でした(笑)」とのたくましい返事だった。

縦の伝道の大切さ

そんな三枝さんだが、「縦の伝道」には苦労していると話してくれた。

「私には現在1歳の息子がいます。息子にも信仰の喜びを知ってほしいと思っていますが、その難しさも同時に感じています。私は大教会で伏せ込む両親の下で生まれたので、信仰がいつもそばにありました。大教会の皆さんをはじめ、たくさんの信者さんにお育ていただいたお陰で、自然に信仰が身についていきました。それに比べてマルティニーク島はおぢばからも大教会からも離れているので、息子が天理教の信仰に触れる機会は家族の中だけです。なので、私たち夫婦がしっかりと信仰を伝えていかなければという責任を感じています。今は、毎日一緒におつとめをするようにしています。自分の親がそうしてくれたように、まずは自分が信仰している姿を見せることが大切だと思っています

神様の身体で起こることはみんな我がこと

大自然に囲まれるマルティニーク島。最近では「brume de sable(砂の霧)」と呼ばれるサハラ砂漠からの砂塵がこれまでになく飛んでくるようだ。砂は大気中の汚染物質を付けて飛来するので、目や喉、鼻がかゆくなったり、頭痛に悩まされることもあるという。

「人間目線からは砂の霧による被害はできるだけ避けたいですが、自然界へは良い影響を与える場合もあるんです。マルティニークは自然豊かだからこそ、地球の循環を肌で感じますし、神様の身体の中で生きている感覚が強くなりました。環境問題への意識は日本にいたときよりも一層強くなったと思います

にをいがけ・おたすけを心の芯に

2017年10月にカリブ布教所長でもある義母が日本語学校「Musubi」を開校し、三枝さんもそこで働いている。日本語教師をする上で大切にしていることを教えてくれた。

「ほとんどの日本語学校の生徒さんにとって、私が、初めて接する『日本人』であり『天理教の信仰者』です。その責任はいつも感じています。あるとき生徒さんに『先生は天理教の信仰があるからこんなに素敵なんですね』と言われたときは、本当に嬉しかったです。言葉が十分に伝わらなくても、にをいがけ・おたすけの心が芯にあれば、必ず相手に伝わるものがあると実感しています。また、自分が教えることよりも、相手から学ぶことや与えられるものの方がずっと多いと切に感じます

さいごに

三枝さんは「日本から遠く離れた海外での生活は寂しくない?」とよく聞かれるそうだ。

それに対して「全く寂しくない」と笑顔で答えられるという。それもまた、親との信頼関係と親神様が守ってくださっている安心感のおかげだと話してくれた。

「遠く離れているからこそ、どれだけ心をつなげられるかが大切なんです」

そう話す三枝さんの笑顔を見て、(彼女の)隣にいる息子さんも将来立派なようぼくになるに違いないと、遠く南の島に思いを馳せてインタビューは終わった。

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